フレイルって何?要介護との関係は?簡単チェックと対策で大丈夫!

フレイルって何?01

「最近メタボで」「メタボになっちゃうから気を付けないと」
メタボ=メタボリックシンドロームという言葉は、生活習慣病予防に気を付けようといった意識とともにだいぶ浸透してきました。
フレイルを予防しよう!など、最近フレイルという言葉も少しずつ聞くようになってきましたが、フレイルって何だろう?何に気を付けたらいいんだろう?と思う方も多いと思います。
”虚弱”を意味するフレイルは近年世界中で注目されている言葉で、色々な側面があり、適切な対応をすることで改善が可能といわれています。そこで、今回はそんなフレイルについて紹介していきたいと思います。

最近よく聞く言葉、『フレイル』って何?

フレイルって何?02

「フレイル」とは、虚弱・衰弱を表すfrailtyという英語を訳したものです。
いわゆる健康な状態(健常)と要介護状態(生活・身の回りの動作に手伝いが必要な状態)の間の状態と言われています。フレイルを有していると、健康な人と比べて要介護状態のなりやすさや、死亡リスク、認知症のなりやすさが増えるといわれています。

フレイルって何?08

フレイル=身体の虚弱だけでない?多面的なフレイル

フレイル=虚弱というと、身体の衰えなど身体的なものを想像しがちかと思いますが、実は身体のことだけでなく色々な面をもっており、それらがお互いに関係しあっていると言われています。

フレイルって何?03

①身体的フレイル

筋力(筋肉量)の低下、歩く速さの低下、体重減少(最近6か月で2,3kg)、疲労感など身体の機能・予備能力の低下がある状態です。

②精神・心理的フレイル

気分の落ち込み(抑うつ)や意欲の低下、物忘れ・記憶力の低下などの認知機能の低下がある状態です。

③社会的フレイル

一人暮らしや閉じこもりなど、他者との交流、社会や家庭生活での役割が減った状態です。

④オーラルフレイル

オーラル=口のことで、口の機能の低下、食事内容の変化などからおこる低栄養状態のことです。

フレイルって何?04

これらフレイルの多様な面は単独で存在するわけではなく、例えば硬いものが噛めなくなるオーラルフレイルの状態から徐々に身体の筋力が衰える身体的フレイルになり、外出する意欲がなくなり(精神・心理的フレイル)、閉じこもり(社会的フレイル)になるなどお互いに関連しています。

フレイルって何?09

自分はフレイル?簡単なチェック

フレイルって何?05

ここまでフレイルについて少し説明してきました。フレイルは健常と要介護の状態の間で色々な面があることはわかったけど、実際に自分はどうなのだろう?と気になる方も多いのではないでしょうか?そこで、簡単にチェックできるものを紹介したいと思います。

【指輪っかテスト】

東京大学高齢社会総合研究機構(IOG)の飯島勝矢教授らの考案した、筋肉量の減少を簡易的に評価するテストです。

指輪っかテスト

出典:東大が考案!自分の「衰え」を点検できる「フレイルチェック」とは?

図のように、親指と人差し指で輪を作り、ふくらはぎの太いところに回した際に、隙間ができると筋肉量の減少(サルコペニア)があると言われ、身体的フレイルの状態であるとされています。

【イレブンチェック】

イレブンチェックは、「栄養」「口腔」「運動」「社会性・こころ」と分類された11の質問に「はい」と「いいえ」で答えることで、多面的なフレイルのチェックをできるものです。
青の欄の丸が多ければ多いほどよく、赤は危険信号です。赤の欄の丸の数が6つ以上になるとフレイルのリスクはぐっと高まり、丸が1つ増えるごとにリスクが2倍増えていくといわれています。

イレブンチェック

出典:東大が考案!自分の「衰え」を点検できる「フレイルチェック」とは?

フレイルの対策は?心配しなくても大丈夫!

フレイルは健康な状態と要介護状態の間の状態ですが、適切な対策を行うことでかなりの割合で健康な状態へ改善することが可能です。

フレイルって何?12

フレイルを予防するには適度な「運動」と「栄養バランス」の取れた食生活、そして「社会活動への参加」が重要となります。

フレイルって何?06

運動

毎日少しずつでも歩くなど、ちょっとした運動でも継続して行うことでフレイルのリスクを軽減できるといわれています。散歩やストレッチ、痛みのない範囲での運動などできることから少しずつ行ってみましょう。

栄養バランス

口の機能を維持し、身体の元気を保つためには栄養のバランスも大切です。筋肉のもととなるたんぱく質の源になる肉・魚・大豆製品や骨を強くする乳製品をとることを意識しましょう。また、食事中によく噛むことも重要です。

社会活動への参加

趣味・ボランティア・仕事など自分の好きなことやりたい活動を見つけて参加することで社会とのつながりを保ち、日々の生活の意欲や交流を得ることができます。

まとめ

フレイルについて、特徴やチェック方法・対策についてまとめさせていただきました。
一言でフレイルといっても様々な側面があり、互いに関連しあっています。自分自身の生活や体と心の様子をいろんな面からよく見なおすことが重要です。また、身近な方や周囲の方の様子にも気を配り、早い段階で気づき対策をとれば予防することができます。
同じ毎日を過ごすなら、いくつになっても健康でハツラツとしていたいですね!
これを読んで少しでも興味のあることや気になることがあれば取り組んでいただき、これからの日々をますます元気でイキイキと送れるようにしていきましょう!

この記事を書いた人

赤塚 祐介 堀江病院 リハビリテーション科 理学療法士 介護支援専門員

赤塚 祐介
「堀江病院 リハビリテーション科 理学療法士 介護支援専門員
日本理学療法士協会 介護予防推進リーダー フレイル対策推進マネージャー」

H19年堀江病院に入職、介護老人保健施設希望の苑への異動も経験し、現在は堀江病院で理学療法士としてリハビリテーションを行っています。
地域の皆さんが元気でイキイキとした生活が送れるよう、介護予防教室や介護予防自主グループ 、ふれあいサロンなどで介護予防・フレイルについての講話・運動を行っています。

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